文字の思い出

先日、書店で見かけてから気になっていた本を買いました。
書体デザイナー小林章さんの『フォントのふしぎ』です。
小林章さんは日本人では珍しい欧文フォントデザイナーの方でドイツに在住されています。
そんな書体専門家による、フォントにまつわるコラムを集めた書籍です。
文章はラフな文体で、写真も豊富でどのページから読んでも楽しめる本です。
高級ブランドのロゴはなぜ高そうに見えるのかというトピックや、定番フォント誕生のバックボーンなど、日頃フォントを扱うDTPオペレーターから見るととても興味をそそる本です。
あとさり気なく嬉しいのが、この本はすべてのフォントにカナ読みが記載されています。
このフォント何て読むんだろうなぁ…と思いながら使っている欧文フォントは多いので、
これからはもう少しフォント達と仲良くなれそうな気がします。

フォントの扱いで思い出しましたが、
その昔、社会人一年目で広島の印刷所に就職したとき、当時の上司から文字組みがなってない!とさんざん叱咤されていた日々がありました。
今でこそ感謝してはいますが、当時はただの長3封筒に「請求書在中」と文字を配置するだけでも、「ここじゃないし、大きさが違う!」と語気荒く指導され、
はっきりとした正解がわからないままに文字組みの感覚を養わなければならない日々に、ずっと不安を抱えていたのを覚えています。
あれから数年の歳月を経て、昔よりは文字を組む感覚に敏感になったのでしょうか。
先日、弊社社長に私の文字組みを褒めていただく機会がありました。
五里霧中の歳月を過ごしてきましたが、ちゃんと成長できるんだなぁと感慨深く思ったものです。
とはいえ、まだ全然私の文字組みは至らないことの方がずっと多いです。
それ以外にも学ぶべきこともいっぱいあります。
日々観察&精進ですね。

Follow me!

次の記事

宮澤賢治